植物日記

2025年7月29日

正蓮寺植物日記 | 7月 味覚育む夏の菜園

緑が強く、深い七月。

正蓮寺では蓮の開花はもうおしまい。
もうひとつだけ、あと少しだけ…と絞り出すように咲く花に出会えたらラッキーだ。

こども園の畑の夏野菜と話題の空中スイカは収穫期を迎えた。
取材中にミニトマトをひとついただく。「あぁ、美味しい…」ゴクリとのどを通る時に感じた、青い香り。酸味のある濃いトマトの味。この味を知って育つ正蓮寺こども園の園児たちは、豊かに味覚が育っていくだろう。
 

季節と育む 小さな味覚の旅


子どもの味覚発達のピークは3〜 4歳と言われており、10歳頃までにどこまで豊かな味わいを体験させてあげられるのかは重要だ。
 

「美味しい」としっかり感じられる感性は、人生に大きな影響を与える。幼児期の味覚の発達ゴールデンタイムにしっかりと旬の味わい、収穫の喜びも感じられる体験は貴重である。
 

正蓮寺ではえくぼの丘の庭で植物を愛でることができ、菜園で野菜を育て味わうこともできる。本堂裏のお山さんで大地を感じる。小さな薬草園の植物も育ってきたので、いずれは香りや茶の嗜みを愉しむこともできるだろう。

当たり前に思えることを、当たり前に受け取り感じるためには感性が必要。植物と関わることで、感じる力が養われる。五感を刺激する植物との関わりでみると、八月は味覚を堪能するのにもってこいの季節。

  

ゆらゆら揺れる空中スイカ


園児たちの楽しみは、ゆらゆら揺れる空中スイカ。
 

檀家である高橋ご夫妻が独自に始めた空中スイカはこども園の砂場の一角で大きく育った。毎日園児たちはスイカを見上げて「おおきくなってる!」と大はしゃぎ。

 

厳しい暑さの中でグングン大きくなっていくスイカの重量をしっかりと受け止める小さな手。収穫して、大事に大事に宝物のように抱えて。みんなで仏さまにお供え。

 

 

「ありがとう」「かわいいね」と語りかけながら手を合わせ美味しくいただいたそう。


夏野菜と育つ 子どもの感性。「食べる」ということは、体を大きくするだけではなくさまざまなことを成長させていく源だ。

こども園の畑では、きゅうりの時期は終わり、トマトも終盤。オクラの花は優美に咲き、ピーマンが凛々しく実る。次は秋茄子で一区切りして、涼しくなったらお待ちかねの芋掘りも待っている。

 

 

炎天に揺れる蓮の彩り

蓮の開花もあとわずかの期間だろう。

凛と涼やかなつぼみや形の整った蓮の花の写真も多いのだが、私は花弁が乱れた蓮の姿も好きだ。暑くて、汗でぐっしょり。そんな中で奮闘している人の姿に重なって見えるから。

 
我が家の蓮は、2日ほど鉢に水を追加しなかったため一気に干上がり大慌て!
バケツ1杯の水が2日足らずで蒸発してしまう。

蓮の葉にある気孔(小さな穴)から蒸散が行われるのだがこの気孔の面積は全体の1~2%ほどしかない。それにもかかわらず、葉っぱと同じ面積の洗濯物を乾かしてしまう力が気孔にあるのだ。

 

カラカラに乾いてしまった葉っぱに謝罪しつつ、来年に活かす。
植物の世界はまさに、やってみなければわからない。来年も同じとは限らない、試行錯誤の連続だ。


8月は蓮の花茶・蓮の葉茶の実験を行い、甘茶の研究のため岩手県へフィールドワークへ。
植物の喜びと感動を、みなさまと一緒に味わえますように。
 

植物採集家 古長谷莉花